医学部・歯学部News

合格請負人田尻が大学ごとの入試対策から最新の私立医学部・歯学部の動向までを日々配信中

この記事の目次

     

    週刊サンデー毎日、11月19日号に「4大模試最新難易度 医療系編」という特集記事が掲載されています。
    河合塾と駿台予備校の医学部偏差値ランキングに加え、東進とベネッセの医学部偏差値ランキングも掲載されています。
    ですから、「4大模試」となっています。

     

    大学通信の方が書かれた署名記事で、医学部や歯学部など医療系学部の模試から見た受験生の志望動向と、医学部や歯学部の偏差値ランキングが掲載されていますので、紹介します。

     

     

    学部系統別の昨年比・志望動向

     

    まず、第1回駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試のデータから学部系統別の、昨年と比べた志望動向が掲載されています。
    この模試は今年の9月に行われた模試です。
    夏休み明けで、受験生もそろそろ具体的な受験校を考える時期の模試ですので、十分に参考になると思います。

    学部系統別の志望動向は下記のようになっています。

     
    系統 国公立大学 私立大学
    99 100
    105 89
    92 92
    保険衛生 97 92

    ※サンデー毎日11月19日号から転載

     

    このデータの基となった第1回駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試の受験者は、前年を100とした場合、国公立大学が97、私立大学が94とどちらも減っていますので、このことも頭に入れて、見て下さい。

     

    上の表を見ると、「医学部は国公立も私立も堅調。歯学部は国公立と私立では真逆の動き」と言えます。
    医学部人気は、高いまま衰えを見せないようです。
    一方、歯学部ですが国公立歯学部の志望者増は、2025年度入試から始まる「新課程入試」が影響しているのではないかと思います。

     

    今年度、2024年度入試で結果を出すことが出来ないと、2025年度入試は「新課程入試」となります。
    このことを心配して本来、国公立医学部志望の受験生が国公立歯学部も気にしているのだと思います。

     

     

    私立医学部偏差値ランキングに見る4大模試の違い

     

    この河合塾、駿台予備学校、東進ハイスクール・衛星予備校、ベネッセ進研模試の私立医学部偏差値ランキングを見ると、違いも見えます。

     

    たとえば、杏林大学医学部と東海大学医学部、金沢医科大学医学部の難易度は、どうだと思いますか?

     
    大学 河合塾 駿台 東進 ベネッセ
    杏林 65 61 69 66
    東海 65 60 69 68
    金沢医科 65 59 69 66

     

    ランキングでは、上表のようになっています。

     

    河合塾と東進は、「杏林大学医学部と東海大学医学部、金沢医科大学の難易度は同じ」としています
    一方、駿台予備学校は「難易度は杏林大学医学部、東海大学医学部、金沢医科大学の順番」としています。
    ベネッセは、「東海大学医学部が一番難しく、杏林大学医学部と金沢医科大学は杏林大学より難易度は下がる」としています。

     

    受験生としては、「結局、どこが難しいの?」と思ってしまうでしょう。

     

    関西の人気校、大阪医科薬科大学医学部と関西医科大学の偏差値を見てみましょう。

     
    大学 河合塾 駿台 東進 ベネッセ
    大阪医科薬科 67.5 64 69 69
    関西医科 67.5 64 70 68

     

    河合塾と駿台予備学校は、「どちらも同じ難易度」、としています。
    これに対して東進は「関西医科大学の方が難しい」とし、ベネッセは「大阪医科薬科大学医学部の方が難しい」としています。

     

    「大阪医科薬科大学医学部と関西医科大学医学部では結局、どっちの方が難しいの?」という受験生の声が聞こえて来そうです。

     

    私立医学部の偏差値ランキングは、こんなもんだと考えてください。
    どこかの偏差値だけが正しいとは言えません。
    医学部の偏差値ランキングを見るのなら、いくつかの偏差値ランキングを見ることをオススメします。

     

    医学部の偏差値ランキングは気になるでしょうが、それにとらわれ過ぎるのも考えものです。
    そもそも模試は、全ての大学受験生を対象に作られています。
    実際の私立医学部入試とは異なります。
    偏差値ランキングは、「あくまで参考」と考えてください。

     

    なお、4つの医学部偏差値ランキングを見ると、それぞれの模試の受験者層が分かります。
    全体として偏差値が低い駿台予備学校の受験者層は高く、東進とベネッセ進研の受験者層は、駿台予備学校に比べ学力の低い受験者が多いことが伺えます。
    河合塾は、その中間と言えそうです。

     

    ちなみに、私立医学部で最も難しい大学はどこも、慶應義塾大学医学部としています。
    逆に、私立医学部で一番易しい大学については河合塾、駿台予備学校、ベネッセは川崎医科大学としています。
    これに対して東進は、川崎医科大学が易しいが、川崎医科大学と同じ偏差値の大学が他に3校ある、としています。

     

     

    2024年度入試 私立医学部の偏差値ランキング

     
    大学 河合塾 駿台 東進 ベネッセ
    岩手医科 62.5 59 68 67
    東北医科薬科 65.0 61 69 67
    国際医療福祉 65.0 65 70 69
    自治医科 67.5 65 70 71
    獨協医科 62.5 58 69 66
    埼玉医科 62.5 58 69 68
    杏林 65.0 61 69 66
    慶應義塾 72.5 70 73 75
    順天堂 70.0 66 71 71
    帝京 65.0 60 69 67
    東海 65.0 60 69 66
    東京医科 67.5 62 69 68
    東京慈恵会 70.0 68 71 71
    東京女子医科 62.5 58 68 66
    東邦 67.5 62 69 68
    日本医科 70.0 67 70 69
    日本 65.0 60 69 68
    北里 62.5 60 69 66
    聖マリアンナ 62.5 59 69 67
    金沢医科 65.0 59 69 66
    愛知医科 62.5 61 69 68
    藤田医科 65.0 61 69 66
    大阪医科薬科 67.5 64 69 69
    関西医科 67.5 64 70 68
    近畿 65.0 63 69 69
    兵庫医科 62.5 62 69 66
    川崎医科 60.0 57 68 65
    久留米 65.0 61 68 67
    福岡 62.5 60 68 66

    ※サンデー毎日11月19日号から転載

    ※ブログの中の数値は全てサンデー毎日11月19日号から転載しています。