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この記事の目次

    文科省の緊急調査結果

    東京医科大学の医学部不正入試をきっかけに2018年、全国の医学部に対して文部科学省は「緊急調査」を行いました。
    その結果、国立大学1校と私立大学8校が、医学部入試で不適切な取り扱いがあった、とされました。

    また、聖マリアンナ医科大学については、不適切な取り扱いがあった可能性が高い、としました。

     

    文科省の指摘があった医学部4校

    聖マリアンナ医科大学を含めた10校の医学部で、「女子受験生を一律に差別した」と文部科学省から指摘されたのは、東京医科大学、順天堂大学医学部、北里大学医学部、聖マリアンナ医科大学の4校です。

     

    男女の合格率の変化

    昨年12月25日に文部科学省は、2020年度と2019年度の医学部入試における男女の合格率を大学別に公表しました。

    女子差別を指摘された4大学の男女別合格率が、どうなったか見て行きましょう。
    ここで言う合格率は「合格者数÷受験者数」です。

    第三者委員会が「女子121人が不正に不合格となった可能性がある」と指摘した東京医科大学では、2020年度は男子の方が女子より合格率が高くなりましたが、2019年度は逆に女子の合格率が男子を上回りました。
    合格率の差は、どちらの年も小さく「女子差別」は行われていないと考えられます。

    文部科学省の調査で、「全ての医学部の中で男女の合格率の差が最も大きい」と指摘された順天堂大学医学部は、東京医科大学と同じように2020年度は男子の方が、2019年度は女子の方が高い合格率となっています。
    男女の合格率の差も、以前と比べると格段に小さくなっています。

    繰り上げ合格者を出す際に、女子差別を行っていた北里大学医学部も2020年度入試では男子が、2019年度入試では女子が、男女別の合格率が高くなりました。
    特に、2019年度の女子合格率は男子より4.5%ほど高く、大きな差となりました。

    昨年、第三者委員会がようやく「女子差別があったと認めざるを得ない」とした聖マリアンナ医科大学では、2020年度も2019年度も女子の合格率が男子の合格率を上回りました。

     

    まとめ

    ちなみに私立医学部31校の中で2020年度と2019年度の2年連続、女子合格率が男子合格率を上回ったのは6校で、聖マリアンナ医科大学の他に埼玉医科大学、昭和大学医学部、帝京大学医学部、日本医科大学、川崎医科大学でした。

    文部科学省の調査を見ると、一律に女子ということで差別を行っている医学部は無いと考えていいと思います。

     

    文部科学省の調査結果は、こちら