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大阪歯科大学の偏差値は?求める人物像から入試対策まで歯学部受験のプロが解説

この記事の目次

    大阪歯科大学は関西唯一の歯学部を有する私立大学で、110年を超える伝統を誇る私立歯学部人気校の1つです。大阪歯科大学の入試で合格するための方法をお伝え致します。

     

    1.大阪歯科大学に関する基本情報

     

    1-1.大阪歯科大学の概要

     

    大阪歯科大学は1911年に大阪歯科医学校として創設されました。以来、110年を超える伝統を誇る屈指の伝統校です。2024年4月に看護学部を開設し歯学部、医療保険学部と合わせ医療系3学部を持つ大学となりました。

    キャンパスは楠葉キャンパス、牧野キャンパス、そして創立100周年記念館や付属病院のある天満橋キャンパスと3つのキャンパスを有しています

    建学の精神として「博愛」と「公益」を掲げています。「博愛」と「公益」の精神は歯科医療だけでなく、医療者として世界に貢献し命を救うという理念です。大阪歯科大学の入試に臨む受験生は、この建学の精神を自分なりに説明できるようにしておくことが欠かせません。

    大阪歯科大学附属病院は歯科関連の診療科の他に内科、耳鼻咽喉科、眼科も備え年間27万人もの外来患者が来ています。

     

    1-2.大阪歯科大学が望む学生像とは?

     

    大阪歯科大学のアドミッションポリシーには、下記のことが書かれています。

     

    建学の精神である「博愛」と「公益」に基づき、教育目標に沿った人材を育成するために医療人として目的意識が強く、充分な基礎学力を備え、自ら考え、判断し、表現できるコミュニケーション力を有している人を受け入れる。

    そして、求める人物像として

     

    • 科学的に探究心を持って考え、自ら努力する人
    • 十分なコミュニケーション能力を有し、協調性のある人
    • 専門的知識、技能、態度を修得して、国家資格の取得に向けて着実に努力する人
    • グローバルな視野に立って歯科医学の発展と歯科医療を担う熱意のある人
    • 歯科医師としての倫理観、世界観などを備える幅広い豊かな人間力と行動力を持っている人

     

    これらの求める人物像は、大阪歯科大学の面接で「受験生が合致しているか」、を確かめられます。大阪歯科大学の面接では、自分は大阪歯科大学が求める人物像と合致していることを面接官に伝えられるようにしておくことが合格に直結します。

     

    1-3.大阪歯科大学の偏差値

     

    河合塾、駿台予備学校、ベネッセ(進研模試)の歯学部偏差値ランキングを見ると大阪歯科大学の偏差値はこのようになっています。

     
      河合塾 駿台 ベネッセ
    東京歯科大学 55.0 50 65
    日本大学 55.0 46 60
    昭和大学 52.5 49 65
    大阪歯科大学 50.0 49 57
    日本歯科大学 47.5 47 61
     

     私立歯学部の偏差値ランキングは、様々であることが分かります。河合塾は5つの歯学部の偏差値で大阪歯科大学の偏差値を4番目にしています。駿台予備学校は東京歯科大学に次いで偏差値が高いのは大阪歯科大学としています。このように、私立歯学部の偏差値ランキングは、確定的なものではありません。1つの偏差値ランキングだけを見るのではなく、いくつかの偏差値ランキングを見るようにしてください

    また、大阪歯科大学は推薦入試でほぼ半数の入学者を確保しています。東京歯科大学や日本歯科大学も同じように多くの入学者を推薦入試で確保しています。多くの歯学部志望者は、推薦入試を考えると思いますが 「歯学部の偏差値ランキング」は、一般選抜を対象としていますので推薦入試の難易度とは異なることを忘れないでください。

     

    1-4.大阪歯科大学の偏差値推移

     

    2010年からの大阪歯科大学の偏差値は下記のように推移しています。

     

    大阪歯科大学の偏差値推移

      2010年 2015年 2020年 2024年
    河合塾 47.5 45.0 52.5 50.0
    駿台 51 51 51 49
     
     
    河合塾の大阪歯科大学の偏差値を5年ごとに見ると、毎回変動しています。駿台予備学校の大阪歯科大学の偏差値は、ほとんど動いていません。これを見ても、複数の歯学部偏差値ランキングを見ることの大切さが分かります。
     
     

    2.大阪歯科大学の入試の特徴

     

    2-1.学校推薦型選抜(推薦入試)

     

    大阪歯科大学の学校推薦型選抜(推薦入試)は募集人員約45名で、1浪生までに受験資格が与えられています。評定平均での制限はありませんので、1浪生までなら誰でも受験することが出来ます。

    試験科目は、試験時間各60分で英語、数学、理科1科目、加えて小論文と面接になります。

    どの科目も基本的なことが問われますので、難しいことを解けるようにする必要はなく、基本をしっかりと定着させることが大切です。そのためには、毎日の勉強の積み重ねが重要です。

     

    小論文は、与えられたテーマについて40分、400字で書きます

    大阪歯科大学推薦入試の小論文では毎年、歯科に関連するテーマが与えられていますので、歯科関連のテーマで練習をしておくといいでしょう。

     

    大阪歯科大学は推薦入試(学校推薦型選抜)の過去問を公表していますので、学力試験や小論文の対策は、進めやすいと思います。ただ、受験生の皆さんは昨年の問題しか入手できませんので、それ以前の過去問が欲しい場合は予備校に聞いてみるといいでしょう。もちろん、メルオンでも古い過去問を持っていてそれも含めて分析して指導しています。

     

    大阪歯科大学推薦入試の面接は個人面接になりますが、面接の前に「面接カード」の記入をします。この面接カードを見ながら、面接官は質問します。出来れば、歯学部入試に詳しい人に面接練習をしてもらうといいでしょう。

     

    大阪歯科大学推薦入試(学校推薦型選抜)の最大の特徴は、「併願可能」ということです。

     

    私立歯学部の推薦入試は、「合格したら必ず入学する」という「専願制」が原則です。そんな中、唯一大阪歯科大学は、合格したとしても入学を辞退することが出来る「併願制」としています。メルオンの生徒でも、大阪歯科大学推薦と東京歯科大学推薦の両方に合格して、東京歯科大学に進学した生徒がいます。大阪歯科大学以外の推薦入試では、こういったことは出来ません。

    逆に言うと「併願可能なのだから、積極的に大阪歯科大学の推薦入試を受けた方がいい」とも言えます。

     

    2-2.編入学試験

     

    大阪歯科大学では、編入学試験も行っていて、合格すると2年次に編入学することになります。「4年制以上の大学で、40単位以上取得者」が対象となります。

    試験科目は英語、数学、理科と小論文、面接です。

    大阪歯科大学では、編入学試験の結果については公表していません。

     

    2-3.一般選抜

     

    大阪歯科大学の一般選抜(一般入試)は前期約60名、後期約10名の募集人員で行われます。試験科目は推薦入試と同じで、英語、数学、理科1科目と小論文、面接になります。

    大阪歯科大学の一般選抜には、「チョイス」という試験もあります。これは、英語、数学、理科1科目のうち、最も高得点の1科目で合否を判定します。

    一般選抜に出願するなら、「チョイス」も併願しておくといいでしょう。

    面接は、推薦入試と同じように「面接カード」の記入から始まります。

    また、推薦入試受験者は推薦入試で面接を行っていますので、一般選抜での面接は免除されます。

     

    2-4.共通テスト利用入試

     

    大阪歯科大学は共通テスト利用入試を独特の方式で行っています

    私立歯学部入試で共通テスト利用入試を行っている大学は珍しくないのですが、大阪歯科大学は3科目型」と「2科目型」の2種類の共通テスト利用入試を前期、後期と行っています

     

    大阪歯科大学の共通テスト利用入試の「3科目型」とは英語、数学、理科、国語の中から高得点の3科目で合否を判定するものです。各科目は100点満点の合計300点満点となります。「2科目型」は、同じように高得点の2科目で合否を判定します。

     

    大阪歯科大学では、共通テスト利用入試の受験者に限って、面接を「オンライン面接」とすることも可能です。遠方の受験生で、大阪歯科大学まで面接を受けに行くことが難しい受験生は、「オンライン面接」に代えることが出来ます。他の歯学部にはない制度で、全国の歯学部受験生は知っておいた方がいいでしょう。

    大阪歯科大学の共通テスト利用入試のボーダーライン得点率ですが、河合塾や駿台などのデータを見ると、少なくとも70%程度は必要と考えられます。

     

    2-5.プラス1入試

     

    大阪歯科大学独特の入試として、一般選抜における「プラス1」入試があります。これは、大阪歯科大学の一般選抜と共通テストの両方を受験した受験生が対象になる入試です。

    大阪歯科大学一般選抜の得点に共通テストの最も得点の高い1科目の得点を加えて、合否を判定します。

     

    2-6.大阪歯科大学入試のまとめ

     

    大阪歯科大学の入試は非常に多岐に渡っています

    大阪歯科大学を志願される皆さんは、どのような入試があるのかをしっかりと確認して、自分に合った「大阪歯科大学の入試」を受験してください。

     

    3.大阪歯科大学の偏差値や難易度を解説

     

    大阪歯科大学の偏差値と歯学部人気校の偏差値を見るときに大切なのは、偏差値の数字だけではありません。他の歯学部の偏差値との比較です。

     
      河合塾 駿台 ベネッセ
    東京歯科大学 55.0 50 65
    日本大学 55.0 46 60
    昭和大学 52.5 49 65
    大阪歯科大学 50.0 49 57
    日本歯科大学 47.5 47 61
     

     

    河合塾、駿台、ベネッセ(進研模試)のいずれも、「私立歯学部で最も難しいのは、東京歯科大学」としています。では、私立歯学部最難関の東京歯科大学と大阪歯科大学の偏差値を比較してみましょう。

    河合塾は、東京歯科大学と大阪歯科大学の偏差値の差を「5」としています。かなり大きな差です。ベネッセ(進研模試)は、その差を「8」としていて、さらに大きな差になっています。これに対して駿台予備学校は、東京歯科大学と大阪歯科大学の偏差値の差を「1」としています。駿台予備学校は、「ほとんど差がない」としています。

     

    私立歯学部入試は受験者数が少ないため、「ブレ」が出やすくなります。模試の受験者層を考えると、河合塾やベネッセ(進研模試)の方が信頼出来そうです。そうなると、東京歯科大学と大阪歯科大学の難易度には、少し差があると考えてよさそうです

     

    4.大阪歯科大学受験のポイントを解説

     

    4-1.学力試験対策

     

    大阪歯科大学の入試は推薦入試も一般入試も、基本的に英語、数学、理科1科目となります。 大阪歯科大学一般選抜前期の合格最低点は毎年、得点率75%程度となっています。過去問を見て、「75%を確実に取るために、どういった勉強を進めていけばいいのか」を考えてください。

     

    ここで強調したいのは、「過去問のどの問題も解けるようにする」ことを目標とするわけではない、ことです。大阪歯科大学に合格するためには「7割5分」でいいのです。全部の問題が解けるようにしようと思うと、難しい問題にまで手を出すことになります。基本的、標準的な部分が仕上がっているのならいいのですが、なかなかそうは行きません。まずは、「満点ではなく、7割5分を確実に取れるようにする」ことを考えてください。

     

    大阪歯科大学の、推薦入試(学校推薦型選抜)、一般選抜では「英語民間試験のスコア利用」が出来ます。英検などの試験で大阪歯科大学が定める基準を満たしていれば、大阪歯科大学の試験を受けた時の自分の英語の得点か、受験者の平均点または平均点プラス10点の、いずれか高い得点が自分の英語の得点になります。

     

    4-2.面接対策

     

    大阪歯科大学の面接は、個人面接になります。面接の前に「面接カード」を記入し、面接官は「面接カード」を見ながら受験生に質問します。大阪歯科大学の面接では「面接カード」を記入しますが、「ここから何を聞かれてもいい」ように書くことが重要です。

    「面接カード」には「歯学部志望理由」「学力試験の手ごたえ」「理科の履修状況」などを記入します。

    面接対策は、なるべく「歯学部の面接官が何を求めているか」、「面接官の本音」をよく分かっている人にお願いすることをお勧めします。歯学部の面接は何のためにやるのかを聞いたときに「将来、良い歯科医師になれるかを見極めるため」と答える指導者では、非常に心配です。面接官の本音が分かっているとは言えません。

     

    4-3.小論文対策

     

    大阪歯科大学の小論文は、与えられたテーマについて、40分で400字を書きます。何より大切なのは、400字を書ききる」ことです。小論文が200字程度で終わってしまっては、「採点対象外」とされてしまう恐れがあります。そうなると、学力試験の点数に関係なく「不合格」とされてしまいます。

    「どんなテーマが与えられても、40分あれば400字は書ける」、大阪歯科大学の小論文対策は、これを目指して準備してください。過去問で練習するといいでしょう。

     

    5.大阪歯科大学の重要なニュース

     

    大阪歯科大学は2024年4月に新たに看護学部を開設しました。これまであった歯学部、医療保健学部に加え看護学部も備えることになりました。これにより、医療系3学部を持つ大学になりました。