昭和大学医学部 一般選抜

メリオン独自のリサーチに基づく昭和大学医学部 一般選抜入試に関する情報をそれぞれご案内しています。

昭和大学医学部 一般選抜

難易度・レベル(メルオンスコア)

2022年度昭和大学大学医学部一般選抜の志願者は3,917名(Ⅰ期2,475名、Ⅱ期1,442名)、前年度の4,342名(Ⅰ期2,761名、Ⅱ期1,581名)から9.8%減であった。

 

合格者は265名(Ⅰ期237名、Ⅱ期28名)であった。
Ⅰ期合格者のうち83名が特待合格者で、後日追加合格者154名が発表された。
II期の総合格者28名のうち、正規合格は20名で繰り上げ合格が8名。

 

なお昭和大学医学部の補欠者には補欠順位がつかないため、合否の見通しがつきにくい。
昭和大学医学部は、繰り上げ合格者数については公表していないが、正規合格者と繰り上げ合格者を合わせた、総合格者数が公表されている。

スコア 当年総合格者数 前年総合格者数
SS 237名 257名
当年合格実質倍率/当年合格最低点 前年合格実質倍率/前年合格最低点
9.2倍/230点 10.1倍/247点

英語の傾向と対策

試験時間は数学または国語と合わせて140分。
配点は100点である。
大問数は年度により変動がある。

 

選択問題が中心ではあるものの、長文重視で和訳や内容説明問題が多く、記述力を重心する姿勢を鮮明に出している。
難易度は私立医学部としては標準的である。

 

読解問題は和訳や内容説明のほかにも、内容真偽(2020年まで)、空所補充、脱文挿入(2021年)と多様で、様々な角度から受験生の読解力を問う。

 

近年の大きな変化としては、2020年に文法問題が激減したことだろう。
2019年は大問[2][3][4]の3題が文法・語彙問題であったが、2020年には[1]の1題に減った。
この構成が2021年にも踏襲されたことから、今後も読解重視の姿勢が続くものとみられる。

 

読解問題のテーマは2020年、2021年と連続して「幸福論」について出題された。
2021年には「なぜ幸福が重要なのか?(Why does happiness matter?)」という題材が出題されたが、2020年にも「なぜ日本の若者の幸福度は他国に比べて低いのか?(Why are Japanese teens so glum?)」と似通った題材が出ていた。
過去問をよく分析していた受験生にとっては、やや取り組みやすかったと考えらえる。

 

昭和大学医学部の最近の傾向から、読解重視の対策を行うのが良いだろう。
内容説明問題対策として、指定された制限字数でまとめる練習を繰り返すようにしてほしい。

 

単語については、標準レベルで基本的には対応可能と考えられるが、医学用語を含む比較的難易度が高めの英文が題材となる年度もあるので、ややハイレベルの単語帳で語彙を補充したり、過去問研究や読解演習の際に分からなかった単語を丁寧にチェックするようにしよう。

スコア 知識量 スピード 記述力 応用力
SS SS S SS SS

数学の傾向と対策

英語と合わせて140分で、例年4つの大問を解く。
配点は100点である。
この4問のうち2〜3題は小問の集合になっている。

 

特に数学Ⅲの微積分については、2021年まで毎年出題されている。
確率・数列・極限・ベクトルといった分野も頻出である。

 

2021年の構成は、以下の通り。

[1]図形と方程式
[2](小問)整数
[3](小問)(1)確率 (2)微積分
[4](小問)(1)微積分 (2)確率

 

難易度は総じて高くなかったが、[1]の(4)は「存在範囲」を求める問題で、2次方程式の解の存在条件に帰着するが、受験生の経験値によって差がつくところであろう。
[2]は整数問題で、苦手な受験生が多い分野であるが問題自体は難しくない。
[2](3)については、nの候補を不等式で絞った後に「しらみつぶし」で調べてしまえば、正解にたどり着ける。

 

思考力が求められる問題が出題されることもあるが、全体的に上位私立大学レベルの問題が多く、難問が出ることはあまりない。

 

小問については標準的な難易度の問題が多いので、基本的な計算トレーニングを積むことで、標準的な問題に対する得点力をつけよう。
ただし本学の数学は出題範囲が広い。
他大学では出題頻度の少ない確率分布も出題範囲になっており、しかもよく出題されている。
したがってムラなく全範囲にわたって学習しておく必要がある。

 

また問題数も制限時間の割には多いので、解ける問題からピックアップして確実に得点する訓練も必要だろう。
過去問を実際の制限時間で解くと良い。

スコア 知識量 スピード 記述力 応用力
S S S A S

化学の傾向と対策

制限時間は理科2科目で140分。
配点は理科全体で200点。

 

2018年以降は、大問数4題が定着している。

 

理論・有機・無機の各分野が偏りなく出題されているので、未習分野がないように学習してほしい。
もっとも出題頻度が高いのは理論分野で、次の有機分野がよく出題される。
無機分野は理論や有機に比べ出題頻度こそ少ないが、理論と関連付けられた問題がよく出題される。

 

2021年の特徴は、4つの大問のうち3つが有機分野からの出題となったことであろう。
脂肪族・芳香族・糖が出題された。
また[4]の小問集合で生命化学の問題も出題された。

 

近年、有機分野のうち生命化学の問題が頻出である。
しかも深い考察を求めるものがよく出題され、生命化学分野は他の大問と比べて難易度が高いと言える。
逆に言えば、他の問題は総じて典型問題ばかりであるから、対策の基本は典型問題を素早く確実に得点に解けるようにすることである。
典型問題は素早く片付けて、生命化学の問題にじっくりと取り組む時間を確保する戦略がベストであろう。
特に物理選択者にとっては、生命化学分野は不利な問題になると思われるが、実際には解答に必要なヒントは問題文中に記されている。
文中からヒントを見つけ正答に辿り着くにはそれなりのトレーニングが必要である。
このトレーニングは過去問等に取り組むことで行うことが可能なので、物理選択者も諦めずに対策に努めてほしい。

スコア 知識量 スピード 記述力 応用力
SS SS SS SS SS

生物の傾向と対策

制限時間は理科2科目で140分である。
配点は理科全体で200点。

 

2021年度は大問数が4題から5題に増えた。
出題範囲は幅広く、選択問題、論述問題、描図問題がバランスよく出題される。

 

2021年の出題は

[1]物質循環
[2]環境化学
[3]発生
[4]アポトーシス
[5]遺伝子発現・遺伝暗号解読

であった。

 

本年の特徴として、空所補充問題が非常に多く設問の大多数を占めた。

 

知識については、教科書・図説の内容を押さえておけば良いだろう。
「生態系」「進化・系統分類」は毎年のように出題されているので、特に知識の整理しておくと良い。
実験考察問題や計算問題についても、典型問題をマスターしておく。

昭和大学医学部で頻出の論述については字数が少なく高度な内容が求められるわけでもないが、論述に慣れるために、問題集から論述問題をピックアップして解いてみると良いだろう。

スコア 知識量 スピード 記述力 応用力
S S S S S

物理の傾向と対策

制限時間は理科2科目で140分、例年大問数は4題。
配点は100点である。

 

力学・電磁気学・波動・熱力学の4分野から満遍なく出題されている。
また例年、論述問題または描画問題が出題されている。
2019年には論述と描画がそれぞれ2題ずつ出題された。

 

2021年の[1]の力学の問題は、特に[B]については見慣れない問題設定のため、苦労した受験生は多かったかもしれない。
[1]の[B]は地球上の物体が月の引力から受ける影響について問うもので、設定こそ初めて見る学生が多かったであろうが、近似式が与えられており誘導も丁寧であるので、知っている公式を丁寧に当てはめていけば、正答に辿り着くことはできると考えられる。

 

2021年の論述問題は[3]の熱力学分野であった。
問題文のヒントを丁寧に拾った上で基本的な熱力学の知識を用いれば正解できる。

 

一見すると受験生が見慣れないような問題でも、高校物理を超えた知識、習わない公式を使わないと解けない問題はまず出ない。
慌てず出題者の誘導に乗れるかどうかがカギ。
標準的な問題集を1冊仕上げたのち、過去問に取り組むと良いだろう。
年度によって難易度のばらつきが大きいので、取れるところを確実に解く練習も過去問を使って行ってほしい。

スコア 知識量 スピード 記述力 応用力
S S S SS S

国語の傾向と対策

昭和大学医学部は、2021年度から私立医学部の中では数少ない国語を受験科目にできるようになった。
試験時間は英語と2科目で合わせて140分である。
大問は4題、全て医療に関わる「評論文」「小説」は出題されていない。

 

2021年度の出展は以下の通り。

[1]鷲田清一『悲鳴をあげる身体』
[2]安藤泰至『医療にとって「死」とは何か』
[3]飯田亘之『哲学的観点から見た安楽死』
[4]キャサリン・モンゴメリー著『個別性の科学-医学と不確実性』

 

特に「身体論」でよく知れられる鷲田清一の文章は、多くの受験生が読んだことのある題材であろう。
[1]の問題文は長文であるが、筆者の文章を読んだことのある受験生にとっては比較的読みやすい文章であろう。

 

空欄補充が多く、選択式が中心であるが、傍線部を説明させる記述問題もあり、受験生の読解力を多角的に問う構成となっている。
指定の字数でまとめる練習を行うようにしてほしい。

 

漢字も多く出題されるので、別途対策が必要である。

スコア 知識量 スピード 記述力 応用力
S S SS SS S

面接の傾向と対策

昭和大学医学部の面接は個人面接である。
10分間の面接で志望理由や高校時代の活動、併願校や入学後の生活や活動についての質問を受けることになる。

2021年度の質問では、以下のようなものがあった。

①志望理由
医師志望理由 本学志望理由 
②高校・学外活動
高校生活
部活動
ボランティア活動 
③寮生活について
寮生活について
寮で合わない人がいたらどうするか
④その他
医師に必要な資質
小論文の内容について
自己アピール
自分の長所・短所
コロナワクチンについて
最近の医療ニュースについて

特に「③寮生活について」という質問は昭和大学の医学部ならではといって良いだろう。
昭和大学医学部の1年生は、歯学部・薬学部・保健医療学部の学生と富士吉田キャンパスで共同生活を行うことになる。
異なる学部の4人が共同生活を行い、チーム医療の基本を学ぶことになる。
異なる背景や考えを持つ他者といかに共存し協力し合うか、面接で問われる。
制限時間の中で上記の質問に簡潔に答えられるよう、自分なりの答えをしっかりと準備しておくようにしよう。

小論文の傾向と対策

配点は30点。
60分の制限時間の中で600字の論述が1題課される。
例年、長めの「テーマ型」である。

 

2021年度入試の1日目は「あなたができるSDGsの取り組み」について問われた。
2日目は「遺伝性疾患の患者との向き合い方」で、遺伝性疾患の数が図として付されていた。

 

図表のついたテーマ型小論文は、本学では初めての出題である。
文章だけでなく図から読み取った情報も、序論に反映させるようにしよう。

 

例年は全ての受験日・方式で長めのテーマ型小論文で、前半部分がヒントで後半部分が設問となっている。

 

昭和大学医学部の小論文では、社会的なニュースがよく出題される。
2020年は「新型コロナウィルス対策には国ごとの財政・医療面の格差があることを踏まえ、道徳的にどう対応すべきか」、2019年は(2日目)「AMR(薬剤耐性)とワンヘルスアプローチについて」(1日目)と「ゲノム編集技術には安全性・倫理上の課題、懸念そして可能性があることを踏まえた上、ゲノム編集技術についてどう考えるか」であった。

 

昭和大学医学部のように長めのテーマ型小論文が出題されている他大学の入試問題を解くことで、600字で論述するトレーニングを積むと良い。
先生の添削を受けるようにしよう。
題材としては近畿大学や関西医科大学のものが良いだろう。

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