私立歯学部受験 入試情報

メリオン独自のリサーチに基づく私立歯学部入試に関する情報を大学・科目・入試別にそれぞれご案内しています。

私立歯学部受験 入試情報

1.私立歯学部受験の流れ

 

私立歯学部受験は、まず総合型選抜(AO入試)から始まります。
毎年、11の私立歯学部が10月20日過ぎから総合型選抜を実施します。
早い大学は、11月1日に総合型選抜の合格発表を行いますので、11月1日に歯学部受験を終える受験生も出てきます。
総合型選抜に続き11月には学校推薦型選抜(推薦入試)が行われます。
全ての私立歯学部で学校推薦型選抜が行われます。
募集人員も多く、歯学部受験生の多くが学校推薦型選抜で歯学部進学を決めています。

 

年が明けて、1月中旬に共通テストがあります。
私立歯学部受験で共通テストの受験が必要となるのは、「共通テスト利用入試」だけです。
奥羽大学歯学部を除く16の私立歯学部で共通テスト利用入試を行っています。
共通テスト利用入試の募集人員は少なく、国公立歯学部との併願者も出願してくることで、ボーダーライン得点率も高くなります。
こういったことから、私立歯学部専願者の共通テスト利用入試への出願はそれほど多くはありません。
ただ、私立歯学部の共通テスト利用入試で合否判定に使用される科目数は多くありません。
多くの場合、国語や地歴公民の受験が必須ではありません。
そういった意味では、受けやすいとは思います。

 

共通テストが終われば私立歯学部一般選抜が始まります。
一般選抜には、前期・Ⅰ期と後期・Ⅱ期がありますが、後期・Ⅱ期は募集人員も少なくなる上に大学によっては医学部志望者が併願先として受験をしてきます。
その結果、前期・Ⅰ期に比べ難易度が高くなる傾向にありますので、一般選抜は前期・Ⅰ期で決めてしまうことを考えてください。
なお一部ですが、一般選抜Ⅲ期を行う歯学部もあります。

 

2.私立歯学部受験では数学に注意が必要

 

私立歯学部一般選抜では、数学の出題範囲が大学によって異なります。
歯学部受験生に人気のある東京歯科大学昭和大学歯学部大阪歯科大学の数学の出題範囲は、「ⅠA・ⅡB」です。
北海道医療大学歯学部「ⅠA・ⅡB」です。
日本大学歯学部松戸歯学部「Ⅰ・Ⅱ」となります。
日本歯科大学生命歯学部新潟生命歯学部明海大学歯学部「Ⅰ・A」が出題範囲となります。
このように、私立歯学部一般選抜では数学の出題範囲が大学によって異なります。
歯学部受験を考える際には「自分の志望校の数学の出題範囲」を確認してください。
なるべく数学の出題範囲を揃えることで、数学の勉強が無駄なくスムーズに進みます。

 

また、私立歯学部一般選抜では、数学無しでの受験が可能な大学もあります。
昭和大学歯学部日本歯科大学生命歯学部・新潟生命歯学部では、数学と国語のどちらかを選択します。
国語を選択すれば、数学は不要になります。
また北海道医療大学歯学部明海大学歯学部日本大学松戸歯学部東京歯科大学Ⅱ期、大阪歯科大学後期などでは、数学と理科のどちらかを選択します。
理科を選択すれば、数学を受ける必要はなくなります。
逆に数学を選択すると理科は必要なくなります。

 

このように私立歯学部受験では、「数学」がポイントになります。
数学無しで行くのか、ⅠA・ⅡBすべてを準備するのか、出題範囲を絞るのか、歯学部受験の準備を進める際には、きちんと考えてください。
あやふやなまま数学の勉強を進めると、効率のいい勉強は出来ません。
どうしたらいいのか分からなければ、私立歯学部受験に詳しい塾や予備校に相談するといいでしょう。

 

3.私立歯学部の倍率に惑わされてはいけない

 

私立歯学部一般選抜の倍率を見ると、多くの歯学部では実質倍率が2倍を下回っています。
2022年度入試の実質倍率を見てみると、東京歯科大学Ⅰ期が4.1倍、昭和大学歯学部Ⅰ期が3.4倍と実質倍率の高い大学もあります。
ちなみに、昭和大学歯学部Ⅰ期の志願倍率は8.7倍になります。
実質倍率は3.4倍ですから差があります。
「倍率」を見る時には、そこで言う倍率は「志願倍率なのか実質倍率なのか」を確認してください。

 

話を戻しますが、多くの私立歯学部一般選抜の実質倍率は2倍を下回っています。
そこだけを見て、「私立歯学部は難しくない」とは考えないようにしてください。

 

私立歯学部一般選抜からの入学者は、全体で900人ほどです。
一般選抜の前に行われる学校推薦型選抜、総合型選抜からの入学者は550人程度です。
一般選抜の前に私立歯学部受験生550人ほどが既に歯学部に合格しています。
この受験生は一般選抜を受けません。
また、学校推薦型選抜や総合型選抜で合格する受験生は学力上位の受験生が多いと思われます。
私立歯学部一般選抜は、私立歯学部受験生550人程度が抜けた後の試験になります。
当然、「倍率」は低くなります。
ですから、倍率だけを見て「私立歯学部は難しくない」と考えるのは危険です。

 

確かに、私立歯学部一般選抜の倍率は高くありません。
しかし、推薦・AOを含め私立歯学部受験全体を見ると、決して甘くはありません。

4.歯学部受験と他学部の受験を同じと考えてはいけない

 

一般的に「日本の大学は入るのは大変だが出るのは簡単」などといわれます。
特に文系学部では出席管理も甘いことが少なくないようです。
学生の自主性に期待する学部と歯学部のように卒業後に国家試験が控えている学部の入試は違うのも当然です。
特に歯科医師国家試験受験者全体の合格率が60%台で推移する歯学部では、入学者選抜の視点も異なってきます。
多くの学部の学校推薦型選抜や総合型選抜では、「これまでの活動」も重視されます。
一方、歯学部の学校推薦型選抜や総合型選抜では「入学後の可能性」が重視されます。
「入学後の可能性」を別の言葉で表すと「入学後の授業についていけるか」です。
「これまで」ではなく「これから」が重要視されます。
そこを判断するための試験が行われます。

 

「最低修業年限での卒業率」という指標があります。
分かりやすくいうと「6年間一度も留年することなく卒業した学生の割合」です。
これを見ると、私立歯学部が入学後の学生の指導で苦労していることが分かります。
入学者の選抜では「入学後の可能性」が重視されるのも当然といえるでしょう。

 

また私立大学部の入学試験について「入学定員に従って、入学者の水増しを改めるべく入学者数の抑制を行う」などといわれますが、歯学部では以前から定員管理は厳格に行われていました。
座学だけではなく、多くの実習を伴う歯学部では定員を超えて入学させることは出来ないからです。

 

大学入試全体の話と私立歯学部入試の話では、食い違うことも少なくありませんので、気を付けてください。

 

5.私立歯学部の学校推薦型選抜

 

17の私立歯学部すべてで学校推薦型選抜(推薦入試)が行われています。
学校推薦型選抜(推薦入試)には、指定校制と公募制があり、明海大学歯学部では指定校制推薦だけが行われています。  

 

私立歯学部の推薦入試では、例えば東京歯科大学の推薦入試の募集人員は約50名、昭和大学歯学部が公募と卒業生枠を合わせて50名、日本歯科大学生命歯学部大阪歯科大学の募集人員が約40名など、募集人員が多い歯学部が少なくありません。
また、歯学部受験生の人気が高い大学の募集人員が多い傾向にあります。
現在の私立歯学部受験は、「推薦が勝負」といっても過言ではない状況です。

 

私立歯学部の推薦入試の試験内容は大学によって様々です。
東京歯科大学大阪歯科大学の歯学部推薦のように一般選抜と変わらない試験科目を課す大学もあれば、日本歯科大学生命歯学部の推薦入試のように、学力試験は英語のみの大学もあります。
昭和大学歯学部の推薦入試では英語、数学(国語)の他に理科2科目が課されます。
ただし、理科は「基礎」科目になります。
また、日本大学歯学部鶴見大学歯学部のように推薦入試の試験科目を「適性試験」としか公表しない大学もあります。

 

また、試験科目は分かっても、過去問を公表しない大学も少なくありません。
「数学といったって、どんな問題が出るのか分からない」「英語は記述式?英作も出る?発音・アクセントは?」という受験生の声が聞こえて来そうです。
出来るだけ志望校の具体的な出題内容が分かった方が、的確な推薦対策が出来ます。
例えば、東京歯科大学推薦入試の数学は一般選抜の数学とはかなり異なります。
一般選抜の数学をイメージして推薦対策を進めると当日、慌てることになりそうです。

 

具体的な試験問題が分からなければ、私立歯学部受験に詳しい塾や予備校に聞いてみるといいでしょう。

 

私立歯学部学校推薦型選抜には、受験資格があります。
昭和大学歯学部の公募推薦や日本歯科大学大阪歯科大学の推薦入試の受験資格は「現役のみ」です。
浪人生は受験出来ません。
愛知学院大学歯学部朝日大学歯学部は評定平均での縛りがあります。
私立歯学部の推薦入試を検討する際には、まず自分が受験資格を満たしているかの確認から入ってください。
受験資格を満たした受験生だけの戦いですから、チャンスも大きくなります。

 

6.私立歯学部総合型選抜

 

17ある私立歯学部のうち、総合型選抜(AO入試)を実施しているのは、12の歯学部です。
ほとんどの私立歯学部では、総合型選抜(AO入試)を実施しています。
私立歯学部の総合型選抜は、現役・浪人や評定平均での受験資格の縛りは無い大学がほとんどですから、歯学部受験を考えている受験生なら誰もが一度は受験を検討するといいでしょう。

 

一般的に総合型選抜(AO入試)は、「人物本位の入試」といったことがいわれます。
「これまでどのような考えで、どのような活動をしてきたか」「何かに頑張った経験や誇れる成果はあるか」などが問われる入試といわれます。
しかし、歯学部のAO入試は違います。
最も重要なことは「歯学部入学後、歯学部の授業について行けるか?」です。

 

ですから、「誇れる成果」が無くても気にせず、総合型選抜(AO入試)にチャレンジしてください。

 

「入学後、歯学部の授業について行けるか」を試しますので、ほとんどの歯学部では学力試験などの筆記試験を課します。
筆記試験の具体的な内容については出来るだけ調べて的確な準備を進めてください。

 

昭和大学歯学部明海大学歯学部のAO入試では、歯学部教員による講義の後、その講義内容に関するテストを行います。
昭和大学明海大学の歯学部AO入試を受験するのであれば、こういった試験の対策も欠かせません。

 

また、小論文と面接についても手を抜けません。
受験予定の歯学部AO入試では、どういった小論文が出題されるのか、面接は個人なのかグループなのか、なども調べて万全の準備を進めてください。

 

7.私立歯学部受験での親の役割

 

大学受験において親の役割は重要ですが、他学部受験とは異なる独特の入試を行う私立歯学部受験では、親の役割はさらに重要になります。
歯学部受験での合格を目指す受験生にとって、親は最も身近で最も強力な味方であって欲しいと思います。
受験生は誰もが不安を抱えています。
どれだけ学力が高くても「絶対に合格する」という保証はどこにもありません。
志望する歯学部の試験日まで全てが順調ということはあり得ません。
親は、そんな受験生を支える存在であって欲しいと思います。
親子の関係が良好であれば、受験生本人も受験勉強に集中出来ます。

 

親世代から見ると、受験生は幼く頼りなく見えるかもしれません。
だからといって上から押さえつけるような接し方は避けてください。
受験生本人が自信を無くして萎縮するばかりです。
勉強が上手く進んでいないようであれば、怒りたい気持ちをぐっと押さえて、本人が考える勉強が進まない要因を聞き、親が考える勉強が進まない要因と照らし合わせ、どうするかをアドバイスするといいでしょう。
一緒に考えたことが、ちゃんと出来ているかは継続的に見てやってください。

 

親は歯科医師国家試験合格率を気にする傾向にあります。
つい「そんな大学に行ったら歯医者になれない」と言ってしまったりします。
さすがにこれは言い過ぎでしょう。
歯科医師国家試験合格率も新卒合格率は各大学、それほど悪くはありません。
ほとんどの私立歯学部では新卒合格率は80%以上です。
90%を超える私立歯学部も何校かあります。
東京歯科大学は素晴らしい歯科医師国家試験合格率を誇っていますが、1浪して東京歯科大学に進学するより、現役で他の歯学部に進学して6年で国家試験に合格すれば1年早く歯科医師になれます。
歯学部は「合格すれば終わり」ではなく歯科医師国家試験に合格するまでの長い目で見てください。

 

東京歯科大学にしても、歯科医師国家試験合格率の見た目を良くするための多少の操作は行っていると考えられます。
親として、歯科医師国家試験の合格率は気になるでしょうが、どこの大学歯学部であれ入学後きちんと勉強を続けることで歯科医師国家試験の合格は見えてきます。

 

なお、東京歯科大学慶應義塾大学と合併する話がありましたが、無くなりました。
詳細はお伝え出来ませんが、破談の理由を聞くと「なるほど」と思うと同時に、「もう無いな」とも感じます。
「慶應義塾大学歯学部卒」ということは考えない方がいいでしょう。

英語の傾向と対策

私立歯学部受験で柱になるのは、間違いなく英語です。
例えば、昭和大学歯学部日本歯科大学生命歯学部新潟生命歯学部一般選抜では、数学と国語のどちらかを選択します。
東京歯科大学一般選抜Ⅱ期大阪歯科大学一般選抜後期日本大学松戸歯学部一般選抜では、数学か理科かどちらかを選択します。
このように、私立歯学部受験では、数学無しで受験することも可能です。
しかし、英語無しでの受験は出来ません。

 

また、日本歯科大学生命歯学部新潟生命歯学部推薦入試(学校推薦型選抜)の学力試験は英語のみになります。
昭和大学歯学部AO入試(総合型選抜)の学力試験も英語だけです。

 

このように私立歯学部受験で最重要となるのは、英語です。

 

日本歯科大学朝日大学歯学部などの一般選抜は全問マーク式ですが、記述式の出題をする大学も少なくありません。
記述式とマーク式のどちらにも対応できるよう準備を進めてください。
配点の大きい長文問題は文章自体が難解と言うことは少ないのですが、試験時間は60分程度と短いので、単語でいちいち引っ掛かっていては時間が足りなくなります。
英語の基本中の基本である単語学習は手を抜かないようにしてください。
また、単語で満足するのではなく、熟語まで身に着けるようにしてください。

 

日本歯科大学日本大学歯学部昭和大学歯学部などでは、会話文が出題されています。
こういった大学を受験する予定であれば、会話文にも慣れておく必要があります。
神奈川歯科大学松本歯科大学では、自分の意見を英語で表現するテーマ型英作文が出題されていますので、しっかりとした準備をしてください。

数学の傾向と対策

私立歯学部受験の数学で気を付けなくてはならないのは、「出題範囲」です。
私立歯学部受験の数学では「数学Ⅲ」は出題されませんが、「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学A」「数学B」の数学4科目のうちの組み合わせが大学によって異なります。

 

東京歯科大学、昭和大学歯学部の出題範囲は、「数学ⅠA・ⅡB」です。
ただし、データの分析と確率分布は出題範囲から除かれています。
大阪歯科大学の数学では「数学ⅠA・ⅡB」の全分野から出題されます。
データの分析も出題されます。

 

日本歯科大学生命歯学部新潟生命歯学部明海大学歯学部の数学は「数学ⅠA」が出題範囲となっています。
日本大学歯学部松戸歯学部では、「数学Ⅰ・Ⅱ」が出題範囲となっています。
朝日大学歯学部愛知学院歯学部の数学の出題範囲は「数学ⅠA・Ⅱ」です。

 

このように、私立歯学部一般選抜の数学では大学により出題範囲は様々です。
「数学ⅠA・ⅡB」すべてをしっかり勉強しておけば、どの私立歯学部でも受けることが出来ます。

 

しかし、受験勉強に使える時間は限られています。
数学で勉強する範囲を狭めれば、それだけ負担も軽くなります。
「自分は数学を、どこまでやるのか」をきちんと考えて受験勉強を進めてください。

 

私立歯学部受験の数学では、難しい問題は出題されません。
教科書の章末問題から教科書併用問題集の発展問題レベルが中心になります。
まずは、このレベルの問題を「早く正確に解ける」ようにしてください。
このレベルの問題を落としていると歯学部合格は遠のきます。

 

ただ、このレベルの問題で満足しないでください。
私立歯学部人気校の合格を目指すのであれば、もう一段レベルアップした問題もしっかり学習してください。

 

なお、私立歯学部一般選抜の数学では出題傾向がはっきりしている大学が少なくありません。
例えば、東京歯科大学一般Ⅰ期の数学は3問が出題されますが、1題は小問集合、残り2題は、ベクトルと数学Ⅱの微積分が毎年のように出題されています。
一般選抜の準備を進める際には、数学の過去問を見て的確な対策を進めてください。

化学の傾向と対策

私立歯学部受験の理科で、生物に次いで多く選択されるのが化学です。
私立歯学部の化学で出題される問題は、基本的な内容の「一度は見たことのある問題」がほとんどです。
高校の学習を超えるような難しい問題は、「出題されない」または「出題されたとしても、誰も解けない」と考えていいでしょう。
まずは、「よくある定番問題」を確実に解けることを目指してください。

 

日本歯科大学大阪歯科大学の化学では、やや難しめの問題も出題されます。
この2つの大学を受験するのであれば、過去問を解いてみて「どのくらいの難易度の問題までやればいいのか」を考えてください。

 

私立歯学部の化学は基本的な問題中心の出題ですから、苦手分野は絶対に無くしてください。
苦手分野があって、そこで点数を落としているようでは、歯学部合格は覚束ないことになります。
私立歯学部受験の化学の勉強方法としては得意分野に偏らず、むしろ苦手分野の克服に重点を置くようにしてください。
弱点分野をなくし、どの分野でも基本的・標準的な問題は解けるようにすることが私立歯学部合格への近道です。

生物の傾向と対策

私立歯学部の理科は1科目を選択します。
昭和大学歯学部の推薦入試では、理科は基礎科目を2科目選択しますが、私立歯学部受験の理科は基本的に1科目です。
私立歯学部受験の理科で最も多く選択されるのが生物です。

 

私立歯学部受験の生物で出題される問題は、どの大学も教科書や図説・図表に載っている内容がほとんどです。
まずは、「教科書レベル」の問題をスムーズに解けるようになることを目指してください。

 

東京歯科大学日本大学歯学部愛知学院大学歯学部大阪歯科大学などでは、現象の説明を文章で答えさせる記述問題も出題されます。
特に日本大学歯学部の生物では、80字程度の記述が求められます。
生物で文章を書く問題が出題される大学の受験を予定しているのであれば、文章問題対策も進めてください。

 

私立歯学部受験の生物の勉強としては、やはり語句を正確に覚えることが何より大切です。
私立歯学部の生物では、正誤問題が多く出題されます。
正誤問題では語句を正確に覚えていないと正しい答えは導けません。
知識の正確さを問われる問題が多く出題されますので、単に「覚える」ではなく「正確に覚える」「理解して覚える」ことに気を付けてください。

物理の傾向と対策

私立歯学部受験の物理では、力学と電磁気が出題の中心になります。
この分野を苦手とすると、私立歯学部の物理で合格点を取ることが難しくなります。
まずは、この2つの分野を仕上げてください。
また、熱力学も多く出題されます。
原子が出題範囲に入っているかの確認は必要です。
年によって、原子が出題範囲に入っていたり入らなかったりすることがあります。

 

私立歯学部の物理は、大学によって問題の難易度が異なります。
神奈川歯科大学愛知学院大学歯学部朝日大学歯学部などでは基本問題が中心になりますが、東京歯科大学鶴見大学歯学部大阪歯科大学のように難しめの問題が出題される大学もあります。

 

物理選択者は、受験予定校の物理の過去問を解いて「自分は、どのレベルの問題までやればいいのか」を確認してください。
私立歯学部の物理は、大学によって問題の難易度、出題傾向が様々です。
受験予定校の過去問は必ず解いてみてください。
また、語句の説明、実験や法則の名前などの知識も問われますので、覚えるべきことは確実に覚えてください。

国語の傾向と対策

私立歯学部一般選抜で、国語でも受験できる大学があります。
昭和大学歯学部日本歯科大学生命歯学部日本歯科大学新潟生命歯学部神奈川歯科大学歯学部の4つの歯学部です。
この4つの歯学部受験では、数学と国語のどちらかを選択します。
数学と国語のどちらを選択するか迷ったら過去問を解いてみてください。
より高い得点が期待できる方を選択すればいいでしょう。

 

ただ、「数学が苦手だから国語でいく。だから数学はやらない」というのは賛成できません。
この4歯学部しか受験しないのであれば数学をやらないのもいいのですが、他の歯学部も受験するとなると数学が必要になります。
「国語だけでいく」とは、なかなかいきません。
そこは、冷静に判断してください。

 

私立歯学部の共通テスト利用入試で、国語が必須とされるのは日本大学歯学部日本大学松戸歯学部共通テスト利用入試Ⅰ期だけです。
ただ、国語が選択科目になっている歯学部は、いくつかあります。
私立歯学部の共通テスト利用入試を受験するのであれば、受験校の試験科目を確認し、どの科目を選択するのかを考えておいてください。

 

なお、私立歯学部の小論文で例えば東京歯科大学のように、漢字の書き取り、読み、四字熟語、文章整序なども問われる「国語的な小論文」を出題する大学があります。
志望校の小論文では、どういった小論文が出題されているのかを確認して「国語的な小論文」が出題されていれば、必要な準備をしてください。

私立歯学部一般選抜で、国語でも受験できる大学があります。
昭和大学歯学部日本歯科大学生命歯学部日本歯科大学新潟生命歯学部神奈川歯科大学歯学部の4つの歯学部です。
この4つの歯学部受験では、数学と国語のどちらかを選択します。
数学と国語のどちらを選択するか迷ったら過去問を解いてみてください。
より高い得点が期待できる方を選択すればいいでしょう。

 

ただ、「数学が苦手だから国語でいく。だから数学はやらない」というのは賛成できません。
この4歯学部しか受験しないのであれば数学をやらないのもいいのですが、他の歯学部も受験するとなると数学が必要になります。
「国語だけでいく」とは、なかなかいきません。
そこは、冷静に判断してください。

 

私立歯学部の共通テスト利用入試で、国語が必須とされるのは日本大学歯学部日本大学松戸歯学部共通テスト利用入試Ⅰ期だけです。
ただ、国語が選択科目になっている歯学部は、いくつかあります。
私立歯学部の共通テスト利用入試を受験するのであれば、受験校の試験科目を確認し、どの科目を選択するのかを考えておいてください。

 

なお、私立歯学部の小論文で例えば東京歯科大学のように、漢字の書き取り、読み、四字熟語、文章整序なども問われる「国語的な小論文」を出題する大学があります。
志望校の小論文では、どういった小論文が出題されているのかを確認して「国語的な小論文」が出題されていれば、必要な準備をしてください。

社会の傾向と対策

私立歯学部受験で、地歴公民(社会)が必須とされる試験はありません。
大阪歯科大学共通テスト利用入試前期プラス1後期プラス1で地歴公民が選択科目の1つとされていますが、この他の私立歯学部受験では、地歴公民が使われることはありません。

 

私立歯学部受験のために地歴公民の勉強を進める必要はないでしょう。

面接の傾向と対策

大学受験の面接は主に、「個人面接」「グループ面接」「グループ討論」に分けられます。
このうち、私立歯学部受験の面接では「個人面接」が多くなります。
私立歯学部の面接官は総合大学であっても歯学部の教員が務めます。
歯学部教員は面接で「合格」を出せば、その受験生を6年間は面倒を見なければなりません。
そういう立場の人が面接官を務めます。

 

私立歯学部の面接では、2つの最重要質問があります。
「なぜ歯科医師を目指すのか?」「数ある歯学部の中で、なぜこの大学なのか」
この2つの質問です。
「歯学部志望理由」「大学志望理由」の2つの質問に上手く答えられれば、「歯学部の面接は終わり」といっても過言ではないくらいに重要な質問です。
自分なりの答えを考える時間は十分にありますので、自信を持って答えられるようにしっかり準備してください。

 

歯学部受験生が苦労するのが「大学志望理由」です。
「なぜ、この大学なのか?」という質問への答えですから、「その大学のいいところ、特徴」を言えばいいのですが簡単ではありません。
例えば「この大学では全身との関連が学べる」という答えを準備したとします。
受験生としては「良い答え」だと思うでしょうが、十分な答えとはいえません。

 

全身との関連については、どの歯学部でも学べます。
口の中のことだけしか学ばない歯学部はありません。
志望校のパンフレットやホームページだけを見ているとこうなってしまいます。
「全身との関連が学べることを言ってはいけない」ということではありません。
言うのであれば、もう一歩踏み込んで「何年次のこの授業、この実習」などしっかりその大学のことを理解していることを伝えられるようにしてください。

 

この2つの質問への自分なりの答えは、必ず第三者に聞いてもらってください。
面接の答えは、面接官に伝わらなければ「良い答え」とはいえません。
第三者が聞いて理解できる答えなのかを、確認してください。
出来れば、私立歯学部受験に詳しい人に聞いてもらうといいでしょう。

 

この他には、調査書や出願書類からもよく聞かれます。
調査書や出願書類から、何を聞かれてもよいように準備をしておいてください。

 

私立歯学部の面接は、大学ごとに毎年同じようなことが聞かれています。
事前に問題が分かっている試験といえます。
志望校の面接では毎年、どんなことが聞かれているかを調べておけば、恐れることなく面接に臨めます。
毎年、歯学部に多くの合格者を出している塾や予備校であれば、大学ごとの面接の質問は分かっています。
特に、学校推薦型選抜や総合型選抜では、面接が一般選抜以上に重視されますので、十分な準備をして面接に臨んでください。

 

ただ、受験生が準備していない質問を投げかけてくる場合もあります。
昭和大学歯学部の面接では、「あなたにとってのご馳走とは?」という質問がありました。
「素の受験生が見たい」ということでしょう。
最近は、こういう質問が多くなりました。
こういう質問にも落ち着いて答えるためには「慣れ」が欠かせません。
いろいろな人に、いろいろな質問を投げかけてもらって、面接に慣れてください。
「慣れ」こそが、面接対策のポイントです。

 

なお、最近医学部の面接で増えてきているMMI(マルチプル・ミニ・インタビュー)を行う私立歯学部は、今のところありません。

小論文の傾向と対策

小論文は「課題文型」「テーマ型」「資料型」などに分類されますが、私立歯学部受験の小論文では、「高齢化社会における歯科医師の役割」などのテーマが示される「テーマ型」が出題されることが多くなります。
私立歯学部の小論文で出題されるテーマは、そのほとんどが「歯科医療」に関するものとなります。
「高齢化社会」「口腔内の健康と全身の健康」「歯科医師の役割」「健康寿命と歯科」に関するテーマが、最近の小論文ではよく出題されています。
今後は特に、「国民皆歯科検診」についての問いが多くなると予想されます。

 

いずれにしても、日頃から歯科医療に関するニュースは関心を持って見てください。

 

また、私立歯学部の小論文では「国語」といえるような設問もよくあります。
例えば、東京歯科大学一般選抜の小論文では漢字の書き取りや四字熟語、文章の整序なども小問の一つとして出題されています。
私立歯学部推薦入試の小論文でも、国語的な問題はよく出題されています。
漢字の書き取りなどの国語的な問題が出題される歯学部の受験を考えるのであれば、小論文だけでなく「国語対策」も忘れないでください。

 

私立歯学部の小論文対策として最も重要なことは「小論文を書き慣れる」ことです。
とにかく「試験時間内に指定字数を書く」ことが、実際の私立歯学部の小論文では何より大切なことです。
字数不足は採点対象外とされる恐れがあります。
「試験時間内に指定字数を書き切る」ためには、小論文を書き慣れることが重要です。
私立歯学部の小論文では「知っていることが出る」とは限りません。
「知らないことでも書ける」が私立歯学部小論文の目標です。

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